働き方コラム
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【学校薬剤師とは?】仕事内容・働く環境・教育現場での役割を徹底解説!

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学校薬剤師の職業について、多くを知っている方は少ないです。学校には専任の薬剤師がおり、子どもたちの健全な学校生活をサポートしています。

この記事では学校薬剤師の基本的な知識と仕事内容、働く環境まで分かりやすく解説します。記事を読めば、学校薬剤師がどのような職業かの全体像を把握可能です。

薬剤師免許を持っていて学校薬剤師に興味を持つ方は、ぜひ最後までご覧ください。

学校薬剤師の基礎知識

学校薬剤師は大学以外の学校に勤務し、子どもたちの健康を支える薬剤師のことです。学校薬剤師の基礎知識を、以下の2項目に分けて解説します。

  • 学校薬剤師と一般薬剤師の違い
  • 学校薬剤師が増えている背景

学校薬剤師と一般薬剤師の違い

学校薬剤師は病院や薬局で勤務する薬剤師とは、役割がまったく異なります。学校薬剤師は学校内の衛生環境を保ち、生徒や教職員の健康を守るのが仕事です。

具体的には以下の仕事があります。

  • 健康指導
  • 薬物安全管理
  • 健康教育プログラムの立案

健康問題だけでなく環境衛生の改善・維持も大事な仕事です。衛生化学の知識も豊富である必要があります。一方一般薬剤師は薬の調剤や服薬指導、薬剤管理が主な仕事です。患者の治療に直接関わる一般薬剤師は、ほかの医療従事者と協力し、チーム医療に貢献する重要な役割を担っています。

上記のように学校薬剤師と一般薬剤師は職場環境・職務内容ともに異なるので、要求される専門性も変わってきます。
» 薬剤師の仕事内容と働き方

学校薬剤師が増えている背景

学校薬剤師が注目され始めた背景は、学校内での健康問題の複雑化が原因です。児童たちの中には重いアレルギー疾患を持ち、日々の生活で特別に配慮が必要な子が増えています。青少年の飲酒・喫煙、薬物乱用による健康被害も、学校薬剤師のニーズを高めているポイントです。

現在では学校現場での対応も進んでおり、問題となっている中高生の喫煙率は年々減少傾向にあります。保護者や教職員からの健康相談への対応も学校薬剤師の重要な役割です。専門的な知識を用いて、保健教育の充実に貢献しています。医薬品の適切な管理・使用に関する指導も、学校薬剤師の重要な業務です。

法制度の変化や政策による支援体制の強化といった社会的な要因により、学校薬剤師のニーズは大幅に高まっています。安全な学校環境の確保は、社会全体の課題です。

学校薬剤師の仕事内容

学校薬剤師は、生徒の健康と安全を守るために多岐にわたる活動を行います。具体的な仕事内容は以下のとおりです。

  • 学校保健計画への協力
  • 環境衛生の維持と改善
  • 健康相談と保健指導
  • 薬品管理と安全な使用の指導
  • 緊急時対応と事故防止

学校保健計画への協力

学校保健計画への協力は、学校薬剤師の重要な役割です。学校保健計画には生徒の健康を守り、向上させるための活動が含まれています。学校薬剤師は専門的な知識を活かし、計画の策定に参加して具体的な提案をし、学校に貢献するのが仕事です。学校保健計画は月ごとに保健に関する行事を整理し、保健目標を定めます。

保健目標に合わせて保健管理計画を割り振ることで、年間の計画を立てます。学校の保健関連の政策や手順の見直しにも協力し、より良い環境づくりに尽力します。学校薬剤師は生徒の健康を支えるとともに、学校の保健活動全般に積極的に関わることが主な仕事です。

環境衛生の維持と改善

環境衛生の維持と改善は近年、学校薬剤師の仕事として重要性を増しています。子どもたちは1日の多くを校内で過ごすため、校内の清潔さを保ち健康を守ることはとても大切です。

学校薬剤師は衛生状態の監査や清掃プランの策定などを行い、生徒の安心・安全な学習環境を守ることに注力します。学校の保健関連の政策や手順の見直しにも協力し、より良い環境の維持に努めます。学校薬剤師はさまざまな学校の保健活動全般に積極的に関わり、生徒の健康を守ることが仕事です。

健康相談と保健指導

学校内には多くの人がいるので、日々さまざまな健康問題が発生します。健康問題に専門的な知識を活かしながら、適切なアドバイスをすることも重要な仕事です。

健康相談では生徒や教職員の個別の健康状態や症状に応じた対策を講じ、不安や疑問に応えます。近年増加している子どもの生活習慣病やメンタルヘルスは重要な課題です。予防医学の観点からの健康指導を積極的に行うことが求められます。

地域の医療機関と連携し、継続的なケアを行うのも学校薬剤師の役割です。地域の内科や歯科医とともに生徒の健康促進に努め、将来的な健康維持を支援します。

上記の活動を通じて収集された健康相談データを分析し、学校保健活動の改善に向けた提案をするのも仕事の一環です。日々のデータの蓄積が、未来の子どもたちの健康維持に役立っています。

薬品管理と安全な使用の指導

薬品管理と安全な使用の指導は、校内全体の健康被害を防ぐための重要な責務です。薬品の在庫把握や使用期限の管理、薬品の適切な廃棄には学校薬剤師が不可欠です。薬物教育は適切な使用法だけでなく、リスクについても指導します。処方薬と市販薬(OTC薬)の違いを理解し、正しい使い分けを教えることも教育の一環です。

アレルギーや慢性的な病気を持つ学生には個別計画を立て、必要に応じて指導を行います。エピペンなどの緊急用薬品の使用法について周知することで、周囲の理解を促進するのも仕事です。

学校薬剤師は社会問題となっている青少年の薬物乱用防止プログラムの策定・実施にも関わります。学生の健康状態や薬物の相互作用について正確な情報を把握し、適切なアドバイスを提供します。教育の一環として薬物の安全な使用に関する計画を実施することは、子どもたちの健康を守る上でとても重要です。

緊急時対応と事故防止

子どもたちの緊急時の対応力を底上げし、健康被害を最小限に留める活動は、学校薬剤師が中心となり行います。事故防止に関しても、学校薬剤師が重要な役割を担います

校内や学区内にて事故や病気が発生したとき、迅速かつ適切に処理する方法を教育することは重要です。校内に設置されている救急キットやAEDを管理し、使い方の指導を行います。生徒や教職員に応急処置の手順を伝え、トレーニングを行うことで、冷静かつ効果的な対応が可能となります。

事故が起こった際には報告と記録を残し、対応が適切であったかの状況整理が必要です。同じ事故を繰り返さないための改善点を見つけ、マニュアル化することは重要な課題です。

防災や危機管理計画には、学校薬剤師の存在が欠かせません。学校薬剤師は数多くの取り組みを通じ、学校での緊急時の対応力を強化し、事故を防ぐ役割を持ちます。

学校薬剤師になる方法

学校薬剤師になるための条件は大きく分けて以下の3項目があります。

  • 学校薬剤師になるための基本条件
  • 学校薬剤師に必要な資格とスキル
  • 学校薬剤師に必要な研修とキャリア形成

学校薬剤師になるための基本条件

学校薬剤師になるためには、国家資格である薬剤師免許の取得が必須です。学校保健法に基づく知識があると就任に有利です。学校薬剤師は学校の保健活動をサポートし、環境衛生管理や健康相談における法律上の基準を理解している必要があります。

学校や教育機関での勤務経験があると、より望ましいです。実際の教育現場での経験が、学校環境での実務に役立つからです。子どもたちの健康管理に高い意識と責任感が求められるので、教職員や保護者と連携し熱意を持って関われることが重要です。

学校薬剤師に必要な資格とスキル

学校薬剤師になるためには薬剤師免許が必要です。ただし、ほかに必要な資格はないため、薬剤師の方は全員、学校薬剤師になれる可能性があります

生徒や教職員と円滑にコミュニケーションが取れることは重要です。子どもたちへの関わりが深い学校薬剤師には、教育にふさわしい人格やコミュニケーション能力が求められます。スクールカウンセリングに関するスキルも役立ち、心の問題を抱える生徒へのサポートも重要な課題です。

健康教育や保健指導に関する知識もあるとよく、学校における健康増進活動に積極的に関わることが期待されます。小児薬治療の特性を理解していれば、子どもたちの健康教育をより効率的に行えます。

緊急時対応や公衆衛生、予防医学に関する基本的な理解も不可欠です。学校では高頻度で突発的にけがや病気が発生するため、迅速かつ適切な対応が求められます。教育現場の薬品使用には、より注意深くなければなりません。学校での薬品使用の厳格なルールのもと、生徒の安全を確保することが可能です。

上記の資格とスキルは子どもたちの健康と安全を守り、教育環境を支えるために重要な要素です。

学校薬剤師に必要な研修とキャリア形成

学校薬剤師はほぼすべての人員が一般の薬剤師と兼任であり、就任には特定のステップを踏む必要があります。一般的な求人が出回ることはほぼないので、学校薬剤師として働きたい方は注意が必要です。

学校薬剤師に就任している方は、ほとんどが地域の薬剤師会や教育委員会から推薦を受けた人員です。地域の学校で薬剤師に欠員が出た場合、地域の薬剤師会から推薦が入り、本人が承認すれば無事に任用となります。

地域によっては全体の学校薬剤師の人数が不足しているので、1人の薬剤師が複数校に勤務している場合もあります。人員がひっ迫しているため、積極的に問い合わせれば任用される可能性が高いです。

学校薬剤師を、公式HPで募集している学校も存在します。数は少ないですが、見かけたら積極的に問い合わせをしましょう。学校薬剤師の求人は、地域社会での貢献度が高い薬剤師に出回ることが多いです。学校薬剤師になりたい方は、地域社会に貢献できる薬局に勤め、キャリアを積むことが不可欠です。

学校薬剤師が働く環境

学校薬剤師が働く環境を以下の点から解説します。

  • 勤務形態
  • 勤務地
  • 平均給与
  • ワークライフバランス

勤務形態

学校薬剤師の勤務形態は、一般的な薬剤師とは大きく異なります。年に数回、多くとも月1~2回の勤務となり、一般の薬剤師業務と兼任可能です。勤務は学校の開校時間によるので、基本的に平日の日中となります。

学校薬剤師は1つの学校に常駐する場合と、複数校を兼任する場合があります。複数校をサポートすることで多くの学生や教職員の健康管理を担い、やりがいのある仕事が可能です。学校が休みの際は勤務がないので、自身の時間を大事にできます。家族との時間を大切にしたり、自身のリフレッシュに充てることが可能です。

ただし、夜間や週末に、学校行事や保護者会などの対応が必要なこともあります。学校薬剤師の勤務形態は多様性があり、個人のニーズや学校の要望に応じて選択可能です。教育現場で薬剤師としての専門性を活かしながら、自分に合ったスタイルで働けます。

勤務地

学校薬剤師は、大学以外のすべての学校で1人以上の配置が義務付けられています。主に保健室や専用のオフィスが割り当てられ、学校薬剤師としての仕事に集中して取り組むことが可能です。

学校以外の場所で働くこともあります。教育委員会や保健センターなど、地域教育や健康に関する施設でコンサルティングやサポートを行う業務を担います。学校薬剤師はさまざまな環境での働き方があるので、薬剤師本来の専門知識を活用して広範囲での社会貢献が可能です。

平均給与

学校薬剤師の平均給与は、医療従事者専用サイト「m3」によると年間16万円ほどです。ただし、地域によってブレはあり一概には言えません。ただし、年間労働時間がかなり少ないという、非常勤ゆえのメリットも存在します。時給換算すると比較的高給になりやすく、人によっては良い仕事です。

学校薬剤師はすべて非常勤の就任のため、学校薬剤師のみで生活はできません。あくまで副収入程度と捉えておきましょう。

ワークライフバランス

ワークライフバランスは、仕事と私生活の両立を目指す人にはとても重要な要素です。学校薬剤師は非常勤かつ開校時間に合わせて働くことが多く、私生活や一般薬剤師業務との両立がしやすい仕事です。学校薬剤師は土日祝日や学校の長期休暇など、生徒が登校しない期間は休みとなります。

カレンダー通りに休めるので、プライベートの時間を充実させることが可能です。定時で帰宅できる場合も多く、家族や趣味の時間を大切にできます。緊急対応が必要になる場合もありますが、一般の薬剤師と比較すると頻度ははるかに低く、スケジュール立てが容易です。

学校薬剤師は家庭と仕事のバランスを取りやすいため、ワークライフバランスは高めです。

まとめ

学校薬剤師は子どもたちの健康管理や学校と地域をつなぐ専門職として、重要な役割を果たしています。学校薬剤師の仕事は、学校保健計画への協力や環境衛生の維持管理、健康相談など多岐にわたります。必要な資格は薬剤師免許のみであり、資格がある方には敷居が低い仕事です。

月1回程度の非常勤なのでワークライフバランスも保ちやすく、副業としても優秀です。学校薬剤師は全国的に不足しており、ニーズが高まっています。子どもたちの健康を守る役割を担うことのやりがいを感じたい、社会的貢献の意識が高い方にはうってつけの職業です。
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Hiro
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薬剤師の給料明細買取屋
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給料明細から知る薬剤師の多様な働き方メディア「薬剤師.com」を運営。

自分の将来の働き方に悩みメディア運営をスタート。薬剤師の新しい働き方のヒントが見つかるメディアにしたい、という想いで運営しています。

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